2012年3月22日木曜日

マラケシュの楽しみ方




マラケシュには結局1週間滞在した。「サハラ砂漠へ行く中継点」程度に考えていただけに、予想以上に長く時間を過ごしてしまったようだ。

だが、マラケシュでは「これが旅の始まり1都市目でいいのか?!」ってほど最高の出会いに恵まれた。

今日は僕のマラケシュ1週間をまとめてみようと思う。いろんなことがありすぎて、例のごとく少し長くなってしまうかもしれないが、お付き合い願いたい。


『出会い』

まずはモロッコで出会ったスーパーファンキーな仲間、「チームはぴ☆てろ」のメンバーを僕の独断と偏見で紹介したい。

団員NO.1 さくらちゃん



出国前からtwitterで連絡をとりあっていたさくらちゃん。ギャップイヤーを使ってザンビアに長期滞在していた彼女がマラケシュにいると聞き、「これも何かの縁」と、カサブランカに着くや否やマラケシュ行の電車に飛び込んだわけだが、前回の記事の翌日、彼女と会うことができた。

ザンビアで単身ボランティア・ホームステイを4ヶ月。すごいエネルギー持ってる女の子だった。一時期は男性恐怖症になりながらも、今はモロッコ雑貨の買い付けで一攫千金を狙っている、なかなかの切れ者である。

今思えば、マラケシュでの出会いのキーパーソンはさくらちゃんだった。trip and friends(めっちゃイイ安宿)に辿り着けたのも、他の日本人に出会えたのも、彼女のおかげだ。

「一期一会」、口にするのは簡単だが、出会いの数が増えれば増えるほど、僕なんかは忘れがちになってしまう。さくらちゃんのすごいところはそこなんだろうなーと、一週間の付き合いで感じた。「ひとつひとつの繋がりを大事に」、僕も真似していきたい。



団員NO.2 りきさん



かの有名な学生団体「たびいじょ」の創設者であるりきさんに出会えたのは僕史上究極のラッキー。出国前に読んでいたカッコイイ旅ブログがりきさんのだったのを知ったときはホントに驚いた。

西アフリカをちょうど北上してきたりきさんのホットな情報は、コンゴやナイジェリアといった、情勢不安定なアフリカ諸国のソレは手に入りにくいだけに、すごく参考になった。

また、りきさんにはアフリカ情報だけでなく、日本で会うべき人や便利なPCソフトやオモシロいブログなど、色々紹介してもらった。青木さんに東京でお会いしたときも思ったが、スゴい人ってインプットとアウトプットが本当に上手い。

「何かやろう」と思ったとき、その次のステップを効率的に順序立ててアイディアを盛り込んでいく能力、たぶんそれが「りきさんスゲエな」って僕が思った理由だ。

そんな人生の先輩にたくさん話を聞けたのはマジで勉強になった。教育問題であったり、日本の社会問題であったり、サブカルチャーの話であったり、旅の話であったり、これからのビジョンであったり、りきさんのそれらに関する知識と考え方から多くを学ばせてもらった。

「やるかやらないか」、自分自身とスゴイ人たちの間の壁は意外にシンプルなのかもしれない。大学1年の今の時期にこの人に出会えて本当に良かった。



団員NO.3 しんちゃん



彼ぬきではこのチームは語れない。大阪出身の世界掌握を狙う我らがリーダー。笑いと性欲に関しては誰よりも貪欲だ。

ぶっちゃけ、しんちゃんは多分僕の友達の中でも一番少ないタイプの人間。日本にいたら、他の3人以上に人生が交わる確立は低かったと思う。

だが彼は潜在的にすんごい素質を持っていることが、数日間の付き合いだったけどわかった。そのうちほんとに有名になるんじゃないかなってマジで思う。

謙虚でネガティブになりがちなリーダーだったが、フレンドリーなキャラでいつも僕らを笑わせてくれた。

正直、僕はエネルギーだけでいったらしんちゃんが一番「もってる」んじゃないかって思う。お世辞にも彼の英語は上手いとは言い難いが、それなのに単身海外に飛び込む勇気は並じゃない。そして一番旅を自分のスタイルで楽しんでいる、そう感じた。

しんちゃんと一度「旅」について歩きながら話したとき、彼と僕の「旅観」のようなものが頗る近いように思った。またいつかどこかで、一緒に旅をしたい仲間だ。

ちなみにウィスキーちょこっと飲んで酔っぱらい、trip and friendsの玄関でゲロ撒き散らし、ムスリムにゲロ掃除させた伝説を築き上げた。



団員NO.4 姉さん



姉さんことクニさんは福岡出身の美人研究員。ゆるーっとしたキャラでいつも場をなごませてくれた。

人と関わるときの物腰が柔らかく、宿でもすぐに他人と仲良くなっていた。そんな姉さんの名言は「love is touch」。

これまでもいろんな国を旅してきた姉さんの話はほんとにオモシロく、社会人ならではの視点は新鮮だった。「こういう大人になりたい」、チーム全員がそう思ったに違いない。

日程の関係で途中で砂漠へ行ってしまったが、姉さんの投資のおかげで美味いタジンにありつけました。有難うございます!

『マラケシュの楽しみ方』


~マラケシュでザ・ワールド~

と、ここまで「チームはぴ☆てろ」のメンバーを紹介してきたわけだが、僕たちはここマラケシュの一番有名な広場「ジャマエルフナ広場(以下フナ広場)」でハッピーテロリズムな企画をした。それが、「ザ・ワールドinマラケシュ」である。(「ザ・ワールド」ご存じない方は漫画「ジョジョ」を参照ください)

ことの発端はりきさんがしんちゃんに見せた、とあるYouTube動画。ニューヨークやロンドン、パリや東京といった都市で突然道行く人がストップし、周りの人々をドッキリサプライズさせる様子をビデオに収める、というものだ。

「これマラケシュやりましょう」、しんちゃんのその一言から全てが始まった(らしい)。




僕と姉さんとさくらちゃんが2人と合流した日、しんちゃんから企画の手伝いの話を持ち掛けられた。

マラケシュには長居するつもりはなかったし、正直「他の都市ならまだしも、モロッコでそんなことできないだろ」という思いが最初はあった。けど、こんなバカ企画をマラケシュでやろうなんていうアイディアに惚れてプロジェクトに参加することにした。




まずはビールとエスカルゴを屋上のテーブルに広げ、リーダーによるプロジェクト概要のプレゼン。エスカルゴ不味い。


ブラジル人グループと踊ったりなんかもしながら、役割分担や作戦の日程決め。さくらちゃんがファイナンシャルプランナー(会計担当)、りきさんがスペシャルカメラマン(映像担当)、しんちゃんがリーダー(リーダー)、姉さんがセクシーインヴェスター(セクシー投資家)、そして僕がネゴシエーションスペシャリスト(交渉担当)だ。



しんちゃん字汚い。大作戦の「作」からなんかチン毛みたいなの出とる。
そして迎えた作戦初日。10時に集合すると、リーダーがアラビア語で企画が書かれた看板と、ビラを100枚用意していた。

早速フナ広場の真ん中に腰を下ろし、炎天下、ビラを配り宣伝する僕ら。目標は100人。100人が突然止まる様子をりきさんがカフェの屋上から撮影する作戦だ。



途中、集客効果上げようぜ、ってことで僕がギターをとりに宿に戻り、帰ってくると皆の姿が見当たらない・・・と思ったらめちゃくちゃ人に囲まれてた!

フナ広場でパフォーマンスしてる音楽家たちから通りすがりの地元の人までが、フナ広場で1、2番に人だかりをつくっていた。

想像以上の反響にメンバー全員に「これはいけるんじゃないか」と希望の光が差し込んだ。100枚のビラは既に配り終え、しんちゃんはもう100枚コピーしに走った。

ビラ配りや企画の説明をしていると、僕のところにニュース記者を名乗るモロッコ人がやってきた。

「メディアがきた!」、興奮する僕とりきさん。英語が通じなかったので通訳のところへ行こうと記者に着いて行くと、横から変なオッサンがでてきて、ただ「来い」という。

「ははーん、こいつも記者かなんかだな、取材くらい受けてやろう」と思いながらオッサンに従う僕とそれをカメラに収めるりきさん。しかし連れて行かれたのはモロッコ旗の掲げられた建物の中。中の人たちの様子もなんだかおかしい。りきさんがカメラを没収された瞬間、「あ、警察か」と気づいた。不覚。

その後はアラビア語訛りの英語でまくしたててくる警察(?)の男とガチ口論。
男「No!!Listen to me!!」
僕「No!!YOU listen to me first!!」
みたいな感じ。

どうやらビラを配っていたことが国家権力の気に触れたようだった。ビラに書かれた「明日集まって何かやります!」みたいなアラビア語が悪い意味で解釈され、王様によるやや独裁制のモロッコで、それは反政府的な決起か何かと受け取られてしまったようだった。

激しい口論の末、まず警察の許可が必要なことがわかった。すごく盛り上がってただけにショックがデカい。とりあえず店じまいし、タジンを食べながら作戦を練り直す。

ビラや看板を使った宣伝が禁じられたのは実際大ダメージ。「正攻法でいこう」というリーダーの決断で、警察署を巡る旅が始まった。



がしかし!これが難航。ホントに困難を極めた。

まず土曜日だったためか、オフィスが閉まっている。空いている所に行っても許可はもらえず、やっと担当に会えたと思うとたらい回し。しかも月曜にならないと許可は出せないと言う。結局午後の6時間を無駄にした。

しんちゃんのテンションはだだ下がり。皆に疲労の色が見える。もはや続行は不可能かと思われたその夜、リーダーの口から出た言葉は、

「やりましょう、強行です」

だった。下手すると警察に捕まるかもしれない。だがここまできて止めるわけにはいかない。

月曜まで待てば許可はおりるかもしれないが、時間は限られている上に、既に多くの人に「明日の4時にフナ広場!」と宣伝してしまっている。引き返すわけにはいかない。そう覚悟を決めた。





そして翌日、作戦決行日。「ゲボ吐きそう・・・」、(しんちゃんの)緊張と疲労はピークに達していた。

2時ころからビラなしでこっそり宣伝を始める。日曜日のためか、心なしか人が多い。りきさんはカフェの屋上を陣取りカメラでその様子を撮影。

昨日ほどでないにしろ、20人くらいに声をかけることができた。だが、案外好感触だったにも関わらず、宣伝班は不安を抱えていた。



「昨日くるって言った奴らを見かけない・・・」

もちろん昨日話した全員を覚えているわけではないが、「コイツは絶対くるだろ」的なモロッコ人たちの姿が見えない。

時間が経つにつれて不安は大きくなる。作戦30分前の3:30になり、まだ人が姿を見せない。リーダーは「ゲボ吐くゲボ吐く」連呼。




そして遂に4:00。

指定の場所に集まったのは偶然であった日本人4人と、現地人3人、欧米人2人。あまりにも少ない。想定外のケースに戸惑いの色を隠せないメンバー。

「もしかしたらアフリカンタイム的なアレで、時間にルーズなだけかも」

そう思い、いや、そう信じて30分待つが、何も起こらない。

「どうするどうする・・・」

迷った挙句、リーダーが出した結論は、「集まってもらったメンバーだけでもやろう」とのこと。ただ、あまりにも人数が少なかった+屋台の骨組みが予想外に早く広場に出てきたので、全員で大きな輪を作ってストップすることに。

集合場所から広場へ行き、輪になり、近くを通った人も無理矢理混ぜて、リーダーの笛でストップ!かなり目立つのか、通り過ぎる人が皆じろじろ見ていた。





2度目の笛の音でストップは終了。協力してくれた方々にお礼と謝罪。特に「だいじょぶですよ~」って、ずーっと待っていてくれた日本人の方々とアルゼンチン人・イタリア人夫婦にはほんとに申しわけなかった。








と、残念ながら作戦は想像していたような成功を収めることができなかった。「いける!」と思った瞬間があっただけにショックはデカいが、学んだことも多かった。

失敗した要因は色々あるだろう。警察とのいざこざであったり、モロッコ人への説明不足であったり、etc...

だが、「やるかやらないか」という壁をひとつぶち壊せたこの経験は大きい。これを次に繋げられればそれでいいんじゃないかな、なんて個人的には思ったり。

※りきさんが前後のインタビューなんかも収録したこのプロジェクトの動画を現在編集中なんで、出来上がり次第転載します!よかったら見てくださいっ!









…と、ここまで一連の流れを書き綴ってみたが、なんだか右肩下がりの楽しくなさそうな感じになってしまった。

が!実際はクソ楽しかった!この企画をガチでやろうと思わなければ、毎晩ビール片手に作戦を練ったりはもちろん、フナ広場でチラシを配ったときに、いつもは商売の話しかしないモロッコ人と一緒に大笑いすることもできなかっただろう。




交通の便がよく、ホテルも多い、毎日がお祭りのような街・マラケシュはいわゆる観光都市だ。欧米人ツアー客が30人くらい列を成して歩いてるのも珍しくない。実際、マラケシュ自体にはそれほど観光する場所はなく、砂漠や海、アトラス山脈への中継地点的な役割を担っている。

それもあって、最初はあまりマラケシュに長居するつもりはなかった。これから1年アフリカを回る僕は土産を買うわけにもいかないし、そもそもあまり人が多い場所は好きじゃない。


夜のフナ広場

マラケシュに1週間滞在し、「ザ・ワールドinマラケシュ」を実行し、それらを通して僕が見つけたマラケシュ最大の楽しみ方は『フナ広場で何かする』ことだ。

企画の反省会をしたその夜、ギターをかつぎ、フナ広場の真ん中に座って弾き語りをした。

「何してるんだ?」って感じで、少しずつ人が集まってくる。ある程度人数が集まったら、綺麗に輪を作らせ、4人で日本語で歌を歌って踊り狂った。

「ニッポン!!!ニッポン!!!オッパイ!!!オッパイ!!!」、そんな風に雑なこと叫んでると何人かはノってくれて、手拍子や合いの手をくれる。

欧米人なんかからは冷めた目で見られるがそんなの気にならない。

ここはお祭りの街マラケシュ。祭りは参加するから楽しいんだ。外野じゃなくて、中に飛び込むこと。

歌だって踊りだってカンフーだってただサンダルで床を叩くだけだって、なんだっていい。必ず人が集まってくる。それがマラケシュ・フナ広場の魅力であり、最大の楽しみ方なんじゃないかな、と個人的に思う。


最後にマラケシュの独断と偏見によるオススメスポットを紹介して、この駄文にピリオドを打とう。

『マラケシュのオススメスポット』


~食事編~





・オレンジジュースの屋台→フナ広場のそこら中にある。一杯4DH(=約40円)で絞りたてのオレンジジュースが飲める。場所によっては氷入りで冷えてて更に美味い。











・チョコレートクレープ→フナ広場に面した二階建てのcafe(名前忘れた)を背にして右にある道から入っていった、メディナの左側にある小さなお店(隣は肉屋)のクレープが絶品。生地の厚さが絶妙で、チョコの量も甘すぎず、少なすぎない。魚のフライも売ってて、それも最高。マジでオススメ。








・ケフタ(ひき肉)のタジン→フナ広場前の銀行近くのレストラン「restraunt popular(確かそんな名前だった)」のひき肉タジンが絶品。30DH。トマトとパクチーの前菜サラダ付き。










~ホテル編~

・trip and friends→cafe de franceわきの通りに入り、黄色い看板のcybar cafe脇の路地に入り、最初の道を右に曲がって、左側にある21番のドアがtrip and friends。看板がないから分かりにくいけど、オーナーまじでイイ奴で、夜も静か。屋上の雰囲気も良い。ドミトリーで70DH朝食&ミントティー付き。ラウンジにいろんな国の旅人がたまる。ちなみにさくらちゃんの先輩の彼氏がオーナー。

タイコたたいてギター弾いて。ラウンジはいつもにぎやか。
クスクスみんなで食べた。美味しかった~。





~観光編~

・滝→タクシーで1人25DH、フナ広場から約1時間の場所にゆったりとした村がある。小川のせせらぎに耳を澄ませながら食べるタジンは格別。15分くらい岩山を登ると滝が見える。水冷たいけど景色は最高。
柳みたいな木がイイ感じ。雰囲気よい。
洗濯してた。
川辺でランチ。

・ジャマエルフナ広場→言うまでもなく、マラケシュといえばここ。夜になると毎晩お祭り騒ぎになる。エスカルゴの屋台もここに並ぶ。一日中、大道芸人や手品師や音楽家がパフォーマンスしてる。個人的ベストおもしろかったのは、おじいちゃんがニコニコしながらハトとハリネズミとモルモットとタカを並べていじっていたこと。アレはなんだったんだろう。




・メディナ→メディナに迷い込むのは本当にオススメ。アラジンの世界に迷い込める。フナ広場近くは土産物屋がほとんどだが、外側へ行くと職人がテーブル作ったり、学校があったりと、庶民の暮らしが垣間見える。歩いていると店のおっさんらに「ジャパン?チャイナ?」みたいに絡まれるが、適当にカンフーしたりするとウケがいい。
壁とかも面白い。





追記。

マラケシュは個人的に治安がいいと思った。夜中も普通に出歩ける。警察多いしね。

物売りや客引きは絡んでくるけど、あんまり根性ないのかすぐ諦める。インドのほうがずっとウザかった。

あと季節のせいかもしれないけど、ハエが全然いなかった。肉屋の肉にもたかってないから驚いた。










と、まあこんな感じでしたマラケシュ!次行かれる方、是非「ザ・ワールド」やってみてください!笑



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2 件のコメント:

  1. はじめまして、こんにちは。
    すみません、急で申し訳ないのですが、マケラシュの写真がとてもすてきなので、仕事でその写真を使わせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?

    返信削除
  2. なな様

    コメントありがとうございます。返答が遅れてしまい申し訳ありません。
    写真に関してですが、風景のものであればご自由にお使いください。ただ、あまりに個人が特定できるものはご遠慮願えれば幸いです。

    返信削除

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