2012年7月7日土曜日

失意のゴンダール



国境の町メテマからミニバンでゴンダールへ向かうことにした。どうやら有名な城があるらしい。その程度の前知識。

エチオピアのバスは朝早い。この日も6時に起床。運よくガラガラのバスを発見。運転手を含め4人というアットホームなバス。

メテマは景色も気候もスーダンのようだったが、30分も走ると蛇行しまくる山道に入った。砂漠一色だったスーダンと打って変って、緑溢れる大自然。時折目にする茅葺屋根の家々が可愛らしい。見ていて飽きない風景。





途中、村に立ち寄り軽食をとることに。出てきたのは「インジェラ」と呼ばれるエチオピアの国民料理。生地が灰色のクレープのようなそれに、ヨーグルトとひき肉を混ぜたものが載っていた。

「インジェラには気をつけろ」

数々の旅人からそう聞かされていたが、僕自身比較的好き嫌いの少ないこともあり、「なんだかんだで美味いんじゃね」なんて思いながら、インジェラを大きくちぎりたっぷりのヨーグルトと共に口に運んだ。

瞬間、全身に衝撃が走った。「不味っ!!!」

いや、不味いなんてもんじゃない。何かの冗談かと思ったほどだった。完全にインジェラを過小評価していた。半端じゃない酸味が触感と見事なほどに逆相乗効果を発揮している。皆の手前吐き出すわけにもいかず、涙目でパンドラの箱を開けたことを後悔した。(個人的な感想です。)

そんな僕を見かねたのか、ゴンダールに着くと、そこそこなレストランでおばちゃん(乗客その1)がスパゲッティを奢ってくれた。「お金払うよ」って言うと「Its my country.No problem.」と一言。じーんとくる。日記によればこの時点でのエチオピアの印象はA′と頗る良い。



それから結局数日ゴンダールに滞在したわけだが、これがまた散々だった。噂の城の前がメインストリートになっているのだが、この通り沿いの「自称ガイド」やら「自称ツーリストポリス」は見事なほどにウザい・シツコい・メンドクサい。

子供はかわいかった
床屋のおっちゃんはイイ人だった

一本通りを外れると、笑顔で挨拶してくれたりと、基本的に人は良かった。が!メインストリートにいる若い奴らは最悪。馬鹿にしてからかうか、金よこせ金よこせってばっかり。顔も口も悪い。

実際ホテルで90B騙されて、ぶん殴ってやろうとかなりスラムっぽいとこまで犯人捜しまわったけど見つけられず。この時「おれが手伝ってやる」って言って勝手についてきたクソラスタマンもウザかった。話の辻褄がまるで合ってない。数秒前まで「公式ガイド」だったのにいきなり「ツーリストポリス」だって言い張ってた。ちょwおまwwって感じ。

クソラスタマンに半ば無理矢理つれてかれた安宿もひどかった。トイレは詰まっててシャワーのとこにウンコあるし、ちっちゃなゴキブリが夜になると壁を張って枕元に落ちてくるし。もちろん南京虫だらけ。最終的に素手でゴッキーつぶせるようになったけど。人間の順応力ってスゴい。

旅に出てもうじき4ヶ月、ちょっと倦怠期気味だった僕にゴンダールのウザさは相当効いた。ボディーブロー。愚痴をこぼしながら数日引きこもってアメトーク観てた。スパゲッティも安いレストランのはゴミみたいな味がして、一日一食パン2個っていう不健康な自発的ラマダン生活。



「こんなときは早く次の町へ行こう」、そう思うも体が重く動かない。やっと重い腰を上げたのは到着して4日目。せっかくだから、ってことで例の城を観光することにした。

ゆっくり自分のペースで音楽聴きながら満喫したかったから、ガイドは突っぱね、開門前から入り口で待つ。臙脂色のおそろいTシャツを着た若者集団が一杯いて、声をかけてみるとアディスアベバの大学生の卒業旅行ご一行とのこと。












城壁の中は卒業旅行組で一杯だったが、ゆっくり時間をつぶして回り、それなりに静かな時間を楽しめた。崩れてかけているものもあれば綺麗に保存されてるものもあり、かなり立派。

ゴンダール城は17~19世紀に約200年続いたゴンダール王朝によって建てられ、6つの城と12箇所の城門を、900mの城壁で囲まれた7平方キロメートルの敷地に持っている。

標高2300mのファシル・ケビの丘に聳え立つそれらはアフリカらしからぬ建築様式で、中世ヨーロッパのような様相を呈しているため、後世に「不思議の城」と称されるようになったらしい。

流石世界遺産に登録されてるだけあるなーなんて思いながら入場料75B分しっかり観光してきた。



その午後、ATMから何故か現金引き出しできなくてしょげていると、先ほど話した大学生の2人が昼飯に誘ってくれた。2人とも英語がそこそこ話せたので会話も弾む。そして2人が会計済ましてくれた。またも奢られ。「夜パーティーするからこいよ!」なんて誘ってくれたのが嬉しかった。



結局、翌朝バスが5時発だったこともありパーティーは辞退したのだが、次の町・ラリベラに向かうバスの中、前々日までより幾分か心が軽くなってるのを感じた。

人を騙すのも人。人を元気にするのも人。

嫌ーな思い出はイイ思い出で相殺できる。5:1くらいの割合で。旅に出て気づいたことの一つ。そんな自分の単純さに少し呆れながら眺めた車窓からの空は、いつもより青かった。



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4 件のコメント:

  1. 今日本でスギちゃんって芸人が「ワイルドだぜぇ」とか「ワイルドだろぉ?」ってゆうギャグでブレイクしてるんだけど、いぐちくん素手でGつぶすとかめっちゃワイルドだね。。!
    ブログ楽しみにして見てるよ!
    楽しんでちょ:)

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    1. 前置きが長い上におもしろくないけど、コメントあざす!

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  2. ゴンダール城の写真upありがとう。
    こういう写真が大好きです。

    それとインジェラ…よく吐き出さなかったね。
    でもそういうのって、現地で上手くやるコツかもね。
    ちなみに俺も一口食べてみたい気もする。。。

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    1. いえいえ、いつもどうもです!
      吐き出そうか本気で迷いましたよw 是非エチオピアへ!

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